皆さん、おはようございます。【自衛官(公務員)のための営業職入門】も15日目となりました。本日は第3章「テレアポの成否は準備で決まる」の三回目です。テレアポの成否を決める準備とは、リスト・台本・環境の3つでした。昨日はリストについて解説、今日は台本について解説します。
台本とは、テレアポで最初に話す内容を、文章にしたもので、トークスクリプトやシナリオと表現することもあります。通販企業・テレアポ代行業者など、主に電話で売上をあげる企業は、必ず台本を持っています。ちなみにテレアポ代行業者に頼めば、台本作成だけ発注することも可能です。
私が昔アルバイトをしていた会社の新人研修でも、台本を配られました。その台本は何度もコピーを繰り返していたため、文字がかすれていました。ものすごい実績をあげた「伝説のアポインター」が残してくれた台本でした。この台本は短くて、ゆっくり話しても30秒で言い終わるものでした。台本はこれくらい短くて、ちょうど良いのです。あまり長いと、聞かされる方もイライラしますし、テレアポする方も疲弊します。
そもそも、台本を用意する目的とは何でしょうか。それは、効率よく数多く電話をかける、すなわち量を追求するためです。数が増えれば、アポイントが取れる確率も上がります。以前このブログで、営業マンとは経営者や営業部長の優秀なコピーであるべき、と書きました。優秀な上司を真似した方が良いのは、テレアポにおいても同様です。「テレアポの必勝パターン」を学べば、どんどんアポイントが取れるようになります。そのためにテレアポの台本があるのです。
効率よくテレアポする、数をこなすためには、一件一件が楽にできる、ストレスが少なくできる、ということも大切です。テレアポをする時、「なにを話そうかな」と考えながら話すと、疲れます。2件3件ならそうでもないですが、考えることと話すことを同時に続けていると疲れてしまい、テレアポが嫌になります。台本の通りに話すだけ、マシーンになったつもりで、口から言葉を吐き出すだけ、そうすると脳は楽になります。
台本は、数を追求するためだけにあるのではありません。テレアポのクオリティを上げるためにも役立ちます。台本があることで、アポイントが取れる確率が向上するのです。どういうことかと言いますと、あなたがテレアポをした場合、電話のコミュニケーションですから、相手が何かしらの反応を示します。無言の場合も、ガチャ切りの場合も、反応の一つです。相手の反応を確認し、どのように回答するかをしっかり聴いて、その場で切り返すことで、アポが取れる確率が向上するのです。切り返しのテクニックは、後の章でくわしく書きます。自分のモノにするには多少の経験が必要ですが、数ヶ月で慣れます。
それでは、台本はいつまで使えば良いのでしょうか。30秒程度の台本なら、覚えること自体は難しいことではありません。しかし慣れるまでは、台本を読みながら電話をかけたほうが良いです。テレアポをしながら、声のトーンや強弱を工夫して、自分のベストの話し方を身につけることが大切です。また、テレアポをしながら相手の様子(たとえば静かに聞いているか、周りが騒々しいか、など)を推測しながら電話した方が、うまくいきます。自分の話す声色、相手の状況、相手の反応に対するリアクション、これらに意識を集中するために、台本があったほうが楽です。
慣れたころには「台本を作りかえたい」という気持ちになるかもしれません。作り変えても良いのですが、それよりもむしろ「台本を追加する」ことが重要です。つまり、相手の反応によって、どのように切り返したらよいか、そのパターンを学習しましょう。切り返しパターンが身についた頃には、台本は不要になっているはずです。更に言えば、テレアポの内容は、話す相手によって変化します。受付の人に話す内容と、担当者・経営者に話す内容は変化します。相手の立場に応じて、どのように変化させるか、ここまで身についたら台本は不要となります。
リストと台本は、業界や商材によって異なります。ですから、上司や先輩から習うのがベストだと言えます。自分で台本を作るコツも紹介したいのですが、ひとまず次の項目に、つまりテレアポに必要な「環境」に進みます。【自衛官(公務員)のための営業職入門】の全体像を書いた後、台本作成のコツを補足していきたいと思います。今日は、これで終わります。