本日の【自衛官(公務員)のための営業職入門】は、「第1章 法人営業で求められるもの~なぜ営業マンは存在するのか~」です。実は私にとって第1章は、非常に書きにくいのです。個別具体的な営業ノウハウなら、どんどん書けるのですが、こうした総論的なテーマは苦手です。「なんで、こんなタイトルにしたの!」と自分で自分を責めています。しかし、書き進めてみます。

そもそも、営業職とは、いったい何なのでしょうか?得体が知れない金の亡者か?いえいえ、違います。

自衛官(公務員)の皆様も、様々な民間企業と交渉されているかと思います。企業担当者の肩書きは「営業」であることが多いと思います。企業によっては「プロデューサー」だったり「ディレクター」という肩書きだったりします。名刺の肩書きはともかく、企業の窓口となる人物=営業職であることが多いです。そして皆様が大好きな「値引き」という言葉があるように、営業職は「カネ」に精通しているイメージがありませんか?

そういえば、「営業」って言葉は、いったい何だろう?と思ったりします。「営業」という言葉は、実にいろいろな使われ方をします。法律で使われる時もあれば、「営業日」「営業時間」など日常でもありふれている言葉であったりもします。営業=企業活動そのもの、という概念もあります。

営業職というヒトに焦点を戻すと、漫画やドラマでよく登場するイメージは・・・「クレームを発生させてお客様に土下座している」「ノルマを達成できなくてキリキリしている」「接待でカラオケしている」・・・等。

なんかネガティブなことばかり想像してしまうかもしれません。

いったい営業とは、何なのでしょうか。

ずっと営業マンとして働いていた私でも、こうして書き連ねていると「営業とは、いったい何だろう?」と思ってしまいます。自衛官(公務員)の方だったら、なおさら「営業=正体不明で不気味な存在」と感じてしまうかもしれません。「営業なんて、絶対やりたくない。子供には営業マンなんか絶対やるなよと言っている。」そう思っている方も、多いかもしれません。

しかし、営業職には、自衛官(公務員)の皆様の思惑とは違った側面もあります。企業の内部では、売上を上げてくる営業職は花形の部門だったりします。そのため、出世コースだったり、発言力が強かったりします。よくよく考えると、日本は世界有数の経済大国であり、つまり優秀な民間企業が多い国であり、つまりそれだけ優秀な営業マンが多い国であるとも言えます。民間企業やその従業員が支払う税金は、大きなものであります。自衛官(公務員)の皆様も、「どうせ再就職するならば、安定して大きな企業が良い」、と思われるはずです。安定した企業には当然、優秀な営業マンがいます。

漠然としたことばかり書いていると、私の文章力が低いことがバレてしまいますので、別の切り口にします。ここで、企業の営業活動を、サッカーで例えてみたいと思います。サッカーは11人対11人でやる球技ですが、手をつかって良いのはキーパーだけです。残りの10人が、フォワード(攻撃役)、ディフェンス(守備役)などに別れ、点を取り合うスポーツです。

営業職をサッカーで例えると、ずばりフォワードです。点を取る役目です。企業で言えば、売上を上げる役目です。営業が売上を上げるから、その会社の従業員と家族がメシを喰えるわけです。とても、大事なポジションです。大切な役目です。サッカー観戦をする方は多いと思いますが、実際に90分間のサッカーを見て、一番印象に残るのは、得点をあげた選手ですよね?

それでは、サッカーのディフェンスを企業活動に例えると、何でしょうか。これは、「企業のカンバンを守っている者」と言うことができます。カンバン=看板つまり「うちは、⚪⚪屋です」と言えるだけの技術・能力・信用です。例えば、メーカーなら製造部門だと言えます。WEBデザイン会社なら、プログラマーやデザイナーですね。それでは、キーパーは、どうでしょうか。キーパーは企業のカンバンを守る、「最後の砦」だと言えます。メーカーで例えれば製造の責任者、工場長といえそうです。役所でも、それぞれの実務に精通した方が、各部署にいらっしゃるかと思います。「あの法律のことで、Aさんがダメと言ったらダメだ」「政治家との話は、Bさんに頼め」等、キーパーソンがいらっしゃるかと思います。

サッカーはフォワード、ディフェンス、キーパーだけでやるわけではありません。ミッドフィールダーやボランチと呼ばれる、攻守を兼ね備えたポジションもあります。では彼らを企業活動で例えると、どうなるでしょうか。例えば、工務店やゼネコンの現場監督でしょうか。また、開発部・広報部・人事部・経理部・法務部などが該当します。自衛官(公務員)の方も、こうしたポジションで働く方は多くいらっしゃるかと思います。

サッカーにおける監督・コーチは、企業で例えれば社長や取締役です。彼らは商業登記簿に登記されており、文字通り企業の顔であります。銀行から資金を借りる時には連帯保証人として押印しており、まさに人生をかけて企業を経営している人物が、社長だと言えます。

営業職そして企業経営の全体像を、サッカーで例えてみましたが、イメージは伝わりましたでしょうか?

営業職には売上というノルマがあり、製造職には納期・品質というノルマがあり、経営者には(給料・納税・取引先への)支払というノルマがある。このような環境で、企業は活動しており、その最前線にいるのが、営業職だと言えます。

時間が来たので、今日はここでストップします。また続きを書きます。