皆さん、おはようございます。【自衛官(公務員)のための営業職入門】も22日目となりました。本日は第4章「確実にアポを取る話し方」の六回目です。前回に続き、受付を突破するテクニック「担当者攻略編」です。担当者とのアポを獲得するため、少しでも可能性をあげるためのコツを書いていきます。
前回も書いた内容ですが、相手のビジネス上の都合でお断りされた場合は、素直に諦めてテレアポのリストから消してよいでしょう。今時、なかなか無いとは思いますが、口の利き方がひどい担当者、例えば「今いそがしいって言ってんだろが!」と怒鳴るような相手も、リストから消してよいでしょう。あるいは、そもそもリストの質が悪くて、担当者と話ができてもピント外れ、まったく必要がない場合、これもリストから消してよいでしょう。逆に言えば、これら意外の反応、例えば「質問される」「黙る」「うーん、どうしようかなーと言う」「忙しいと言う」「お断りしますと言う」などは、すべて攻略する余地が残されています。これらはすべて、アポイントにつなげることができるのです。具体的に見ていきましょう。
基本は、二者択一話法
営業はアポイントを取らないと始まりません。テレアポしていて、担当者から何か質問をされれば、あなたに関心がある証拠です。質問をされた場合は、「その質問を実際に解決した事例がたくさんあります。実績をお見せしますので、アポイントをお願いします。」言いましょう。まずこれが基本です。今はコロナ影響もあり、WEB面談の可能性も高いとは思いますが、ダメ元でもアポイントをお願いしましょう。
そして、相手が沈黙した場合や、「うーん、どうしようかなー」といった場合は、すかさず「二者択一(にしゃたくいつ)話法」を用いましょう。営業にも色々な話法があり、詳しく解説している本もありますが、私は「二者択一話法」しか使っていません。これは、二つの選択肢を提示すれば、相手は選びやすい、つい選んでしまい、アポや受注につながりやすいというテクニックです。YesかNoかではなく、「AとBだったら、どちらがいいですか?」と聞くようなやり方です。二者択一話法を使えば、スムーズにアポが取れます。間違っても「いつでもいいので、お時間ください」「いつだったら、空いていますか」などと聞いてはいけません。なぜなら、逃げられてアポが取れない確率が高くなるからです。
二者択一話法を用いる際は、同時に手帳を開き、自分のスケジュールを把握しましょう。その上で、「今週と来週だったら、どちらがご迷惑でないでしょうか?」と聞きます。もしテレアポしているのが金曜日だったら、「来週と再来週だったら」となるでしょう。どちらにしても、後者になる可能性が高いです。これは、担当者の「面倒くさいことは後回しにしたい」という心理が影響しています。どの週でアポイントを取るか目星がついたら、例えば「火曜の午前と、木曜の午後だったら、どちらがご都合よろしいですか?」と、二者択一で相手に選んでもらうと、すんなりアポが設定できます。
たとえテレアポの途中で、担当者の方から「良いですよ、会いましょう」と言われても、油断は禁物です。「いつだったらご都合よろしいですか?」と聞いてはいけません。日時を選ぶというのは、心理的には面倒くさい作業であって、途端に担当者の気が変わり「忙しいから、また今度で結構です」と逃げられることも多いのです。どんな場合であっても、日時を設定する場面、つまりテレアポの終盤は、二者択一話法でいきましょう。営業マンの方から2つの日時を提案し、二者択一でアポイントを設定していきましょう。もちろん、相手の方から「この日時にして欲しい」と言われることもあります。その場合はすんなりアポが取れますし、案件をいただける可能性も上がります。
相手が「沈黙」した時、「うーん、どうしようかなー」と言った時、これは「話は聞きたいけど、しつこく営業されても嫌だな。」と相手が葛藤し、警戒している証拠です。このような時に、下手なことを言うと「やっぱり忙しいから、今度にして」と逃げられてしまいます。テレアポで「今度にして」を真に受けてはダメです。油断したら、あっという間にライバルに先を越されてしまいます。テレアポに反応しているのだから、何かしら案件や課題があるはずですが、警戒している時に無理に聞き出そうとしてはいけません。こういう時の必殺のセリフは、これです。
「今すぐに、なにか案件があるとは思っていません。今回は当社の実績をお見せして、近所にもこういう業者がいるんだなと知っていただければ十分です。お忙しくされている中、恐縮ですが、今週と来週でしたら、どちらがご都合よろしいでしょうか?」
安心してもらい、忙しいという言い訳を封じ、二者択一に誘導するのです。これが、最善の切り返しです。「沈黙」や「どうしようかな」は、暗黙のOKなのです。相手も、あなたから情報を提供してもらいたい、そういうタイミングなのです。背筋をピンと伸ばして、ワンオクターブ声を下げて、真摯に話しかければ必ずうまくいきます。
相手が「忙しいから、結構です」と言われた場合は、電話対応してくれたことに感謝して、丁寧に電話を切りましょう。「忙しい」を理由にされたら、時期を改めて電話するチャンスだと思いましょう。具体的には「お話を聞いて頂いて、本当にありがとうございました。お忙しいところ、申し訳ありませんでした。また来月にでも、改めてお電話します」と言うのです。そうすれば相手が「来月は決算で忙しい、再来月なら良いよ」とヒントをくれるかもしれません。
「忙しいから、資料をメール(または郵送、FAX)してくれ」と言われることもあります。この時は、相手のリクエスト通りにしてあげましょう。郵送やFAXなら、相手の部署名とフルネームがわかります。これも一歩前進です。メールアドレスを聞き出せればラッキーです。2ヶ月ごとにメールを送っていれば、いつかアポが取れます。
担当者と話ができて、お断りされたとしても、諦めてはいけません。たまたま「今は」必要とされていないだけで、半年後や2年後にはニーズがあるかもしれないのです。3~4ヶ月おきに、電話をしてみましょう。最初の2~3回は、お断りされても、懲りずに続けていれば「あんたは、熱心な人だな。そこまで言うなら、会ってみようか。いつなら来れるかい?」と根負けしてくれることも多いのです。
営業とは、人間と人間のやりとりなのです。義理や人情、熱意や工夫、笑顔や感謝、喜びがある仕事なのです。