皆さん、おはようございます。【自衛官(公務員)のための営業職入門】も19日目となりました。本日は第4章「確実にアポを取る話し方」の三回目です。前回に続き、受付を突破するテクニック「受付突破編」です。本日は、「万能の切り返しフレーズ」と「アポを取りやすい話し方」について書きます。

万能の切り返しフレーズ「ちなみに」

前回の第4章(2)で書いた事例にも登場しています。テレアポにおいて「ちなみに」は万能フレーズです。なにか困った時、言葉につまった時、何を話そうか一瞬まよった時、相手の反論を聞いて切り返したい時、いずれも「ちなみに、」という接続詞をつけて話すと、うまくいきます。

この言葉は、本当に面白いですよ。テレアポして、受付から「結構です」「間に合ってます」「お断りします」と言われた後でも、「ちなみに、」と言って質問したり、別の話をすると、会話が続くのです。不思議ですが、断られた後でも、会話が続き、受付を突破できるテクニックなので、私はいつもいつも「ちなみに」と言っていました。

新人営業マンや、前職が自衛官(公務員)でテレアポに慣れていない人ほど、この「ちなみに」を使って欲しいと思います。テレアポで「結構です」「間に合っています」とお断りされると、誰でも気落ちします。テレアポ仙人のような私でさえ、嫌になる時があります。新人営業マンや、テレアポに慣れていない元自衛官(公務員)の方ならば、もう本当にゲンナリするでしょう。ガチャ切りが続くと、自分の人格や人間性まで否定されたような気がして、本当にテレアポが嫌になります。その気持ちは、よくわかります。

少し別の話をしますが、「営業は断られてからが勝負」という金言があります。営業部長が部下に対して「一度断られただけで諦めてはいけない。そこからが勝負。なぜ断られたのか考え、相手からヒントをもらい、より良い提案にして再チャレンジしよう。」と言うようなニュアンスです。「営業は断られてからが勝負」と書いていますが、実は、受付から言われる「お断りします」は断られたうちに入らないのです。厳しいことを言うようですが、ただ相手にされていないだけです。ともかく、テレアポは受付を突破しないと、先に進めません。最初の関門である、受付を突破するために、万能の切り返しフレーズ「ちなみに」を試してください。

蛇足ですが、「ところで」という言葉は使わないほうが良いです。「ところで」には、いかにも話題を変えているというニュアンスがあります。受付の心証を害してしまうのか、うまくいかないことが多かったです。話題を変えたい時、話をひっぱりたい時は、「ところで」よりも「ちなみに」を使いましょう。

受付を突破するための話し方

受付を突破しやすい話し方について書いていきます。実は、しゃべる内容以上に、声のトーン、話し方が大切です。つまり「ゆっくり、落ち着いて、低い声で」話しましょう。この3つを必ず守りましょう。

「ゆっくり、落ち着いて、低い声で」と書きましたが、なにも特別なことではありません。真剣にコミュニケーションを取ろうとした場合、自然とこのような話し方になるのです。あなたも、家族や同僚と「大切な話」をする時、ゆっくり落ち着いて話すように気をつけますよね?はしゃいだような声で話すことはしませんよね?

「早口で、せかせかしていて、高い声で」電話をしてしまうと、いかにもテレアポ、いかにも営業電話のように感じてしまうのです。早口でせかせかするのは、テレアポは数多くかけないといけないので、一件一件が雑になるためです。また、テレアポに慣れていない人は緊張のため、高い声になりがちです。「早口で、せかせかしていて、高い声で」テレアポすると、雑な印象、シロウトの印象、若い社員がテレアポ営業させられているんだろうな、といった印象を与えてしまいます。受付もテレアポを受けるのに慣れているため、声のトーンだけで「これは、テレアポだな、面倒くさいから適当な理由で切ってしまおう」と思うわけです。

「ゆっくり、落ち着いて、低い声で」テレアポをした場合、先ほどと逆の印象になります。つまり受付に、「丁寧な感じ、きちんとしたビジネスマンを想像する、大切な話かもしれない、担当者や上司にかわったほうがいいかも」という印象を与えるのです。このように、受付は声のトーンだけで、お断りするか電話をつなぐかを判断していることが多いのです。

私もテレアポを受けたことがあります。オフィスにいる時に、電話がなったから取る、すると営業電話だったりします。営業電話とわかった瞬間に、切る方向で考えがちなので、話の内容はそこまで注意深く聞いていません。営業マンのしゃべり方や、声のトーン、もっと言えばその時の自分の気分で「ガチャ切りするか、担当者につなぐか」を判断していました。自分の気分や、その時の状況で、受付はテレアポを切るかつなぐかを判断している、こういう現実を知るだけでも少し気が楽になります。

生真面目な私にはできないテクニックですが、中小企業の経営者向けにテレアポする時、名前も名乗らずに唐突に「社長いる?」とテレアポする猛者もいます。「社長は、今日は来てるかな?」と馴れ馴れしく話して、社長の友達をよそおって受付突破する、というテレアポの手法です。社長に電話がつながった瞬間、低姿勢に営業するわけです。受付を突破するという意味では、革新的な手法であり、それなりに効果もあるかと思います。ですが、私は嫌いです。なんといいますか、敬意が感じられないからです。テレアポや新規営業をする時は、「御社とお取引させていただきたい」「有益な情報を持って行きますので、名刺交換だけでもさせていただきたい」といった、真摯な気持ちは大切です。ナメた口調で受付を突破しようとする手法からは、敬意が感じられないのです。

少し話題を変えまして、テレアポの第一声についてアドバイスしておきます。後輩から「テレアポする時、第一声は何が良いですか?」と質問されたことが何度かありました。一般的に、電話を開始するときは「もしもし、」と話し出しますよね。しかし「もしもし、」で電話すると、無意識に語尾が上がりやすいのです。「もしもし~」と語尾が上がると、とたんに営業電話という雰囲気になってしまい、ガチャ切りされる確率が高くなりがちです。

私はテレアポの第一声は「はい、」を推奨しています。例えば「はい、わたくし株式会社ABCの※※と申します。」といった感じで切り出します。「はい、」から始めると、語尾があがりにくいのです。同時に落ち着きと力強さが伝わり、「しっかりした人、まともな会社」という雰囲気が出ます。「もしもし、」で始めるより、「はい、」からテレアポを始めた方が、うまくいく確率が高かったのでお伝えしておきます。