皆さん、おはようございます。【自衛官(公務員)のための営業職入門】も18日目となりました。本日は第4章「確実にアポを取る話し方」二回目です。第4章は、大きく二つのパートに分かれます。「受付突破編」と「担当者攻略編」です。法人営業の場合、受付を突破することが最大の難関と言っても過言ではありません。ここでテレアポが苦手になってしまう初心者が、実に多いのです。受付さえ突破できれば、テレアポは半分以上クリアできたと言えます。ですので「受付突破編」では、いかに楽して受付を突破するか、その技術を書きます。「担当者攻略編」では、受付を突破し担当者にかわってもらった後、どうアポイントを取得すればよいのか、その技術を書きます。
先ほど「受付」と書きましたが、「受付」とは企業の代表番号に電話をかけて、電話を取る人のことを総称しています。例えば総務課の人、庶務係や経理担当の人です。よほどの大企業でない限り、このような方々がテレアポの電話を受けています。例えば大学・病院・大企業・役所など、つまり専任の電話交換手がいるような大組織の攻略法は、別の機会に書きます。また「担当者」とは、あなたが売り込みたい部署の担当者か、中小企業の場合は経営者となります。なお、このブログでは法人営業のテレアポについて解説しますが、個人営業においても役立つ情報はあるかと思います。
それでは「受付突破編」の本題に入りましょう。突破するためのコツはいくつかありますが、まず要点をお伝えします。それは「ファーストコールの目標を知る」「万能の切り返しフレーズ」「受付を突破しやすい話し方」「メンタルを保つコツ」です。くわしく書いていきますね。
ファーストコールの目標を知る
ファーストコールとは、初めてその企業に電話することです。初回アプローチとも言います。まったく初めての企業に電話して、アポが一発で取れる確率は低いです。まず、この認識が必要です。2時間テレアポして、アポイントが一つ取れるか取れないか、それくらいの確率。数字で表すと1%未満です。ドラクエで例えると「はぐれメタル狩り」くらいの確率です。楽じゃない、けっこうしんどいです。なにも考えずにやみくもにテレアポすると、疲弊します。
ところが、テレアポが上達して、1時間未満で1件のアポが取れるようになってくると、楽しくなってくるのです。智恵を絞って、どうすれば疲弊しないか、どう確率を上げていくか、どう攻略していくかを考える。意外とゲーム性が高くて、私はテレアポにハマり、研究しました。研究の結果、私が編み出したのが二段階テレアポ戦略です。つまり、一発でアポを取ろうと思わないのが、最大のコツです。ファーストコールでは「担当者の名前を聞き出すこと」だけを目標にして、二回目に電話した時にアポイントを取得する、このような二段階戦略にすると、とても気楽にやれると気づいたのです。担当者の名前を聞き出すという、現実的な目標があれば、心理的ハードルがグッと下がります。
ファーストコールは担当者名さえ聞き出せれば合格です。なぜなら次回、電話する時に、名指しで担当者を呼び出すことができるからです。名指しでかかってきた電話を、受付がガチャ切りすることは(基本的に)ありません。二度手間のように感じるかもしれませんが、時間さえかければ必ずアポが取れるという安心感があるので、テレアポを長く継続していくことができます。このように、担当者の名前を聞き出すことには、大きな価値があります。
そして担当者の名前を聞き出すには「刑事コロンボ作戦」が有効です。まず事例を見てください。なお【 】は、受付の心の声です。
私「大変お世話になります。私はデザイン会社ABCの大高と申します。広報のご担当者さま、いらっしゃいますか?」
受付「【また営業電話か、面倒だな。近くにいないし不在と言ってやれ】ただいま外出/会議で不在にしております。」
私「承知しました。それでは後日改めて、かけ直します、ありがとうございました。」
受付「【電話から解放される】はい・・・【相手が電話を切るまで待とう】」
私「・・・ちなみに、どなたあてにお電話すればよろしいでしょうか?」
受付「広報の担当は、※※です。」
文章に書くと変に感じるかもしれませんが、これは私の必勝パターンです。受付の「断る口実」を利用したテクニックです。本当にこのやり方で、最初の電話(ファーストコール)で、担当者の名前を聞き出してきました。この二段階テレアポ戦略は、かなりうまくいきました。担当者の名前を聞く前に、一度電話を切るフリをして、3秒ぐらい間を取るのがコツです。切るフリをすることで、相手の警戒心がグッと下がります。「刑事コロンボ作戦」というのは、テレビドラマの主人公、刑事コロンボが聞き込み捜査をする時「大事な質問は別れ際に投げかけていた」ことに由来しています。
ちなみに、ファーストコールで担当者の名前を正面から聞き出そうとすると、意外に難しいのです。「お答えすることはできません」とブロックされてしまうことが多かったのです。受付には「安易に担当者の名前を言ってはいけない」という意識もありますので、このような反応になるのでしょう。なぜ「刑事コロンボ作戦」だと、担当者名を教えてくれるのでしょうか?
それは、電話の「受付」をする人がおかれた立場を想像するとわかります。前述しましたが、普通の中小企業の場合、専任の電話受付担当者はいません。総務課や庶務係や経理担当の社員が、仕事の合間に、しかたなく電話対応をしているわけです。つまり、受付は、忙しい状況にあるのです。これを読んでいるあなただって、忙しく事務処理をしている時に営業電話がかかってきたら「今、忙しい!」と怒鳴りたくなりませんか?企業の「受付」の場合、たとえ迷惑なテレアポだとしても怒鳴るわけにいかないから、丁寧に「結構です」「間に合ってます」と言っているわけです。
他社の営業が、受付相手にねばることも多いです。ところが「刑事コロンボ作戦」は、もう最初の30秒で「かけ直します」と白旗をあげています。あっさり降伏を宣言しています。だから、担当者は【あ、電話から解放される】と思った瞬間、これで電話を切れる、自分の仕事に戻れると思って、意識が電話からそれてしまうんですね。この時に「・・・ちなみに、どなたさまにお電話すればよろしいでしょうか?」と聞かれると、つい担当者の名前を教えてしまうのです。
こうして担当者の氏名を聞き出したら、翌日以降に電話するのがコツです。堂々と「広報ご担当の※※様、いらっしゃいますか」と電話すれば、担当者につないでくれる確率が高くなります。この時、担当者がまた不在ならば、「またかけ直します」と言って、あっさり切るのがコツです。受付にグダグダと何か説明しようとしてはいけません。担当者がいないなら、すぐ切って後日かけ直す、これが鉄則です。既存の取引先ほど、あっさり「またかけ直します」という人が多いので、営業の電話だと感じにくいのです。なぜ「翌日以降」かと言うと、これは私の体験上のデータです。
とにかく受付を突破しないと、アポイントは取れません。
しかし、企業によっては、どうしても受付を突破できない場合があります。何度テレアポしても、ガンとして「営業電話は一切お取次ぎできないようになっている」と答える企業もあります。こういう場合は、電話の受付を派遣社員かパートさんに任せているケースが多いです。このような場合、朝一番(8時頃)または遅い時間(18時頃)、つまり派遣社員やパートさんがいない時間帯に電話してみましょう。
ついでに、おすすめのテレアポ時間帯について書いておきます。ズバリ朝一番、特に8時半~9時半がアポイントを取りやすいです。10時以降は、担当者が会議や外出で不在になりがちです。午後一番や夕方もテレアポが成功する確率が高いです。
どうしてもテレアポでは受付を突破できそうにない、そういう時は「先にFAXやメールを送る」「飛び込みで資料と名刺だけ置いていく」という「急がば回れ作戦」でいきましょう。電話と文書と訪問をミックスすることが新規営業の最大のコツである、このことを思い出してください。