みなさん、おはようございます。【自衛官(公務員)のための営業職入門】も13日目となりました。前回までは第一部「営業職とは何か?」という総論のお話でした。本日から第二部「配属初日から活躍できる実践ノウハウ」に入っていきます。ここから具体的なノウハウをお伝えする、いわば各論です。本日は第3章「テレアポの成否は準備で決まる」の一回目です。

第二部では、第3章と第4章はテレアポについて書きます。いわば本書の根幹です。第5章は、テレアポの弱点を補うための、訪問(飛び込み営業)と文書について書きます。第6章は、商談に向う心構え、いかに案件を獲得するか、ということを書いていきます。

第二部のタイトルは「配属初日から活躍できる」と書いています。今思えば大げさなタイトル、書き手(私)にとってはハードルが高い・・・さすがに配属初日から「活躍」することは難しいかもしれません。しかし私は、「どんな商材でも、全国どこでも、1週間あればアポが取れる」という自信があります。もちろん実績があります。私の新規営業ノウハウをお伝えすれば、営業経験者ならば配属初日から活躍できるでしょう。前職が自衛官(公務員)の、営業は未経験者の方々も、間違いなく上司・同僚から一目置かれます。

以前、「今すぐ案件」について書きましたが、今すぐ案件には「間違いなく上司・同僚から一目置かれる」と言えるだけの威力があります。

「今すぐ案件」を獲得すると上司の顔色が変ります。営業部全体に活気がでます。営業部長があなたに「素晴らしい、よくやった!君には期待しているぞ!」と言います。そして部長は、あなたの直属の上司(課長や主任)に指示を出し、「新人教育を兼ねて、しっかりサポートしてくれ。そして確実に受注してくれよ、頼むぞ!」と言うでしょう。ノルマを抱えて苦しいのは、部長も課長も主任も同じなのです。あなたが獲得した「今すぐ案件」のおかげで、営業部全体が活気づくのです。なぜなら、来月、あわよくば今月の売上に直結するからです。

直属の上司は、あなたが獲得した「今すぐ案件」を通じて、見積書や企画書の作り方、業界ルール、提案のノウハウ等を教えてくれます。プレゼンに向けて一緒に努力してくれます。転職したばかりのあなたは、「今すぐ案件」を通じてメキメキと実力を付けていきます。受注すれば部長が祝宴を開いてくれます。受注できなくても、あなたは「期待の新人」として、上司から目をかけられ、居心地がよい空間で仕事をすることができます。仮に営業ノルマを達成していなくても、「今すぐ案件」を引っ張ってくる営業マンは評価されます。

「今すぐ案件」を獲得する、その第一歩となるのがテレアポ、つまり電話でアポイントを取る技術なのです。ここで第3章のタイトルを振り返ると、「テレアポの成否は準備で決まる」です。仕事は段取りが大事と言いますが、これはテレアポも同じです。準備さえしっかりやれば、ストレス無く、気楽にテレアポを継続できます。

それでは、テレアポの準備とは何でしょうか?それは、「台本」「リスト」「環境」の3つです。この意味は、言葉通りです。台本とは、テレアポでしゃべる内容を紙に書いたものです。リストとは、見込み客の企業名や電話番号などを列挙したものです。環境とは、テレアポをする時の環境のことです。

私がこの3つを学んだのは、通信販売の会社です。その会社は、電話営業で生命保険を売っていました。私は3ヶ月間だけ「生命保険の資料を送付しても良いですか?」というテレアポのアルバイトをしました。この会社は、ビルのワンフロアを借り切って、200人体制でテレアポをしていました。事前研修も充実しており、リスト・台本・環境が完備されていました。このアルバイト経験のおかげで私はテレアポに対する苦手意識がなくなり、その後の営業人生に役立ったのです。

テレアポに必要な準備、つまり台本・リスト・環境の3つがそろっているのは、通信販売またはテレアポ代行業の会社くらいかもしれません。それ以外の企業、つまり大多数の企業は、テレアポに必要な準備をそろえていないのです。テレアポが苦手な営業マンが多いのは、単純に企業(経営者や営業部長)の準備不足と言っても良いのです。

実際の営業現場では、営業マン各自が試行錯誤して、各々がノウハウを蓄積しています。しかし組織として部下にテレアポ技術を伝授するわけでもなく、いわば暗黙知です。新卒で入社した若手社員が、見よう見まねでテレアポするという企業も多いです。つまり大多数の企業には、テレアポに必要な「台本」「リスト」「環境」どれかが欠けているのです。これはつまり、やみくもに部下にテレアポをさせる企業が多いということであり、だからこそテレアポが嫌いな営業マンが多いのです。苦手だから、若手社員にばかりテレアポをやらせる。その結果、キャリアを積めば積むほど、「テレアポだけはやりたくない、若手社員にやらせておけ」という管理職やベテラン営業マンが生まれてしまうのです。

視点を変えると、テレアポさえ得意になれば新規営業が好きになり、ベテラン営業マンと肩を並べることができるのです。前職が自衛官(公務員)の方も営業職で活躍できる、私がそう主張する根拠には、このような背景があります。

第3章では、台本・リスト・環境について詳しく解説していきます。