みなさん、おはようございます。【自衛官(公務員)のための営業職入門】も10日目となりました。本日は第2章「新規営業とは、知的な総合格闘技~電話・訪問・文書~」の二回目です。【自衛官(公務員)のための営業職入門】は、そろそろ再就職(転職)について考えなければいけない、そういうタイミングの公務員の方のために、新規営業の極意をお伝えするという企画です。「新規営業、恐るるに足らず。」と感じていただければ幸いです。
「いやいや、営業とか絶対に嫌だし。」そう思っている方、大丈夫です、それが普通です。世の中に「どうしても営業の仕事をしたい!」という人は、めったにいません。できれば避けたい仕事、嫌がられて普通の職種、それが営業です。
私自身、学生時代から「君は営業マン向いているよ」と言われていましたが、「やだなぁ」と思っていました。そんな私が営業マンになったのは「社長が、熱心に誘ってくれたから」「若い頃から営業に向いていると言われてたから」「他の職種よりも比較的、給料が良いから」「技術も資格ももってないけど、できる仕事だから」「もう20代後半だし、いま就職しないとヤバいから」など、消極的な理由ばかりです。しかし、やってみたら意外と面白くて、10年以上も続けることができました。
世の中に営業マンは数多いのですが、「新規営業は、断られるから嫌いだ」とか「テレアポだけは、避けたい」と思っている営業マンは多いのです。「上司に言われるから、しかたなく新規営業をやっている」というのが本音でしょう。だからこそ、このブログが役に立つのです。新規営業ができると、間違いなく評価されます。
新規営業の前では、経歴も肩書きも関係ありません。新規のお客様の前に立つと、みな平等です。相手から見れば「ウチとは取引がない、よくわからない企業」に過ぎないのです。つまり社会人1年目の新人でも、営業10年目のベテランでも、元ひきこもりニートだった私でも、元公務員のあなたでも、営業部長でも、支店長でも、取締役でも、社長でも、みな平等なのです。誰が行っても、断られるときはみな平等に、断られるのです。みな平等に、しんどい仕事だからこそ、評価されるのです。みな平等に、チャンスがあるのです。
この調子で、第2章では新規営業について語っていきます。前回の復習ですが、新規営業はアポイントを取るのが大変、しかし電話・訪問・文書をミックスするとアポが取りやすい、そう書きました。
そもそも、何のためにアポイントを取るのか?今日は、アポイントの本質について考えていきます。法人新規営業において営業マンは、何が目的でアポイントを取りたがるのでしょうか?
二つに場合わけをしてみましょう。一つ目は決まった商品をもっている企業、二つ目は決まった商品を持たない企業です。
一つ目の、決まった商品をもっている企業、例えば食品メーカーや文具メーカーなどの場合。この場合、営業マンがアポを取るのは、商品の売り込みをしたい、仕入れてもらいたいからです。バイヤーと呼ばれる、仕入部門の人とアポを取りたいんですね。一つ目は比較的アポがとりやすい、でも新規営業の場合は取引口座(とりひきこうざ)をつくらないといけないのですが、これは大変です。しかし粘り強く努力すれば、願いは叶います(また別の章で書きますね)。いずれにせよ、アポを取らないと商談は始まらないのです。
二つ目の、決まった商品を持たない企業、例えばコンサルティング会社やデザイン会社などの場合。この場合、営業マンがアポを取るのは、「今すぐ案件」を見つけたいのです。「今すぐ案件」についても解説します。
営業マンは毎月ノルマを抱えています。売上をあげるためには、案件を探し出して、提案して、受注を勝ち取らないといけません。案件といっても、どんな案件でも良いわけではありません。今月や来月、おそくても数ヶ月後には売上につながる可能性がある、「今すぐ案件」を探しているのです。ノルマに追われる営業マンにとって、今すぐ案件以外を相手にしている余裕は、ないのです。
今すぐ案件とは、「予算・締切り・決定」がある案件のことです。この3つのうち、せめて1つは決まってないと、提案しても時間の無駄になるのです。営業マンには、無駄な提案をしている余裕はないのです。
例えば営業マンに「予算はないんだけど、とりあえず提案してくれ」と頼むと嫌がられます。「いつか注文するから、とりあえず提案してくれ」と頼むと「具体的に決まったら、またお声かけください」とあしらわれます。「社長はダメって言ってるけど、個人的に興味あるから提案してくれ」と頼んだら、「社長はなぜダメと言っているんですか?社長に会わせてください」と追求されます。
予算が決まっている(予算)、納期が決まっている(締切り)、やると決めている(決定)。こういう「今すぐ案件」が、営業マンの大好物です。なぜなら来月の、あわよくば今月の、売上成績に直結するからです。今すぐ案件を探し回っているのが、営業マンなのです。案件があった場合、営業マンは案件の確度(かくど。案件としての度合いや受注可能性)を探ります。
今すぐ案件があれば、営業マンにとってベストですが、そう簡単には見つかりません。その場合は見込み客の悩みを聞き出し、なにか提案できることはないかと探るわけです。ここで難しいのが、たとえ今すぐ案件があったとしても、見込み客は簡単に教えてくれないのです。今すぐ案件を引き出すにも、誠意や熱意、テクニックが必要なのです(ここで体育会系のスキルが活きてくる、詳しくは別の章で解説)。
なぜ、見込み客は「今すぐ案件」の存在を簡単に教えてくれないのか。それは、軽く見られないため、用心のため、業者としての能力を精査するためです。営業マンから見た「今すぐ案件」とは、これを発注サイドから見れば「急いで業者を探さないといけない」というタイミングです。発注サイドを経験した自衛官(公務員)の方もいらっしゃるかと思いますが、業者選びは適当にやるわけにはいきませんよね。
民間企業が何かを発注する時も、慎重に相手を選びます。クチコミでいい業者がいれば、そこに頼みます。それでも無理ならインターネットを使って業者を探すわけです。そういう時に、たまたま業者から営業電話がかかってくる、たまたま業者がアポなしで訪問してくる、たまたま決算特別割引のチラシが届く、すると情報収集を兼ねて営業マンの話をきいてやろうか、となるわけです。
営業マンを観察し、まともな業者かどうか確認するのは発注サイド担当者として大切な仕事です。発注サイドとしては、よさそうな業者だけ3~5社に絞り込みたい。まずそうな業者、危険な業者は、この時点で排除したいのです。その上で3~5社から相見積もりを取って、企画書や見積書を比較検討したいわけです。だから、今すぐ案件があったとしても、初対面の営業マンに軽々しく話さないという現実があるのです。
第2章のタイトルにしているように、アポを取る秘訣は「電話・訪問・文書」のミックス戦略です。ミックスするとは言え、企業・商材によって、電話・訪問・文書のどれに注力するのか、変ってきます。「テレアポをやれ」という上司もいれば、「とにかく訪問しろ」という上司もいれば、「文書やメール、SNSを出しまくれ」という上司もいます。商材によって勝ちパターンは異なるため、こうした違いがあるわけです。
自衛隊や官庁でのお仕事もそうだと思いますが、何をやるにしても慣れない業務はしんどいです。しかし慣れれば、ごく普通にできるようになります。辛いときの対処法は、「よし、勝ちパターンをパクってやる」という意識です。これはノルマ攻略法にも通じますので、よかったら第1章(3)を読んでみてください。
今日は「アポイントの本質とは何か」「今すぐ案件とは何か」という内容を書いてきました。なお新規営業でなければアポは簡単にとれます、なぜなら相手企業も仕事で必要にしているからです。とにかくアポイントを取らないと、商談がスタートしません。
今日はこれで終わります、また続きを書きます。