ふと思い立って書き始めた【自衛官(公務員)のための営業職入門】も二日目となりました。私は以前から、何か自衛官(公務員)の方々のために役立つことを行いたいと思っていました。詳しくは自著【思いをつなぐ 英語で学ぶ、日本の矜持。】を読んでいただきたいのですが、うつ病で苦しみ、自殺の直前まで追い込まれたとき、私の精神を救ってくれたのは神風特別攻撃隊の遺書・遺影だったのです。現在の自衛隊と旧軍は別なのでしょうが、国を守るという尊い職務に差はないと思います。
自衛官(公務員)の方々のためにといっても、私にできることは特段何もないと思っていました。病み上がりの営業マンに過ぎませんし。しかしある日、【謀略は「誠」なり】という言葉に出会い、なにかを感じました。そして「自分の営業ノウハウのことを自衛官(公務員)向けに書いてみよう、再就職で悩んだ時に参考にしてもらえるかもしれない。」と思いついたのです。
【謀略は「誠」なり】という言葉は、【陸軍中野学校の教え/福山隆/ダイレクト出版】で知りました。著者の福山先生は、陸上自衛隊元陸将でいらっしゃいます。この本の49ページの一節を引用します。「中野学校は、技術よりも人間教育を重視した。教育の最重要事項・核心は、【謀略は誠なり】という精神であった。この【謀略は誠なり】という精神は、日本の民族性が為せる業だと私は思っている。」
私は「誠」という漢字一文字に、感動しました。スパイ戦やゲリラ戦の教育をしていた中野学校が「誠」とは。そして福山先生ご自身の防衛駐在官としてのエピソードにも感銘を受けました。
私は法人新規営業を一生懸命やってきました。初対面の御挨拶から契約締結まで、長い道のりを辿ります。場合によっては契約まで数年かかることもあります。目先の利益を優先したくなる、そんな気持ちをグッとこらえて、相手担当者との人間関係を構築し、相手企業と自社がWIN-WINとなるようビジネスを提案していく。また、近江商人の言葉に「三方よし」という言葉がありますが、これは「売り手よし、買い手よし、世間よし」この三者が喜ぶ商いこそが永続するという教えであります。商売の、営業マンの、こうした姿勢も「誠」であると感じています。
少し脱線しますが、【陸軍中野学校の教え】を読みながら、【修身教授録/森信三/致知出版】という名著を思い出しました。この本は、森先生が、今で言う教育大学の学生さんに対して、修身(道徳)の授業を行った内容を記録したものです。読んでいて魂を揺さぶられる本であり、私は「無人島に一冊だけ持っていくなら【修身教授録】だ」と思っています。森先生の授業は戦前に行われたものであり、まさに陸軍中野学校の時期と重なるのです。戦前の教育レベルがいかに高かったのか、感じ入るものがありす。
別の話になりますが、私自身は、新規営業の適正が高い人間です。もちろん、これは46歳になって様々な経験と実績を積んだからこそ、わかることです。若い頃は「営業マンなんて嫌だ!」と思っていました。出版社を退職した後に目標を見失い、数年間フリーター・ニート・ひきこもりを経験しました。20代後半になり、もうどうにかしないとヤバいと思って就職活動をしました。この時、ある企業の社長さんが「きみ、営業向いているね。ぜひ入社してよ。待ってるよ。ぜひ来てね。待ってるよ。」と何度も誘って下さったのです。この日から私は、うつ病になる40歳までずっと法人営業をやってきました。
私は学生時代、空手道場に通っており、社会人の先輩から「営業、向いているよ」と言われておりました。自分の営業適性が高いことを自慢したくて書いているわけではありません。営業マンとしての適性は、おそらく営業経験者じゃないと判断できないのではないかと思うのです。つまり、このブログを読んでくださっている自衛官(公務員)のあなたに、お伝えしたいことは・・・前回のブログでも同じこと書いたかもしれませんが・・・転職活動において「あなた、営業マン、やってみませんか?」というお誘いが来た時は、乗っかる価値があるよ、とお伝えしたいのです。食わず嫌いで「営業なんて、自分は無理だ」と思わないで欲しいのです。「これも、御縁というやつかな」と思って、気軽にチャレンジして欲しいのです。
あなたは自衛官(公務員)として、心に「誠」の一文字を秘めて粉骨砕身、努力されてきたと思います。その「誠」の心は、営業職としても通じるのです。通じるどころか、「誠」を心に秘めた営業マンこそ、自社からもクライアントからも求められているのです。
大丈夫です、営業経験者もプライド(自負)がありますので、営業に向いていない人に冷やかしで「きみ、営業に向いているね」なんて絶対に言いません。営業職に誘われたと言うことは、イコール「あなたに適性がある」、ということです。一度だけでなく二度三度、誘われた経験があるなら、人の二倍三倍の適性があるということです。
戦前の軍人・軍属の方々も、終戦で打ちのめされてしまったけれども、「次は経済で勝つ」「ビジネスでリベンジする」という気持ちで、商売や事業に取組んだと聞きます。
時間が来てしまったので、今日はこれでやめますが、【自衛官(公務員)のための営業職入門】を少しずつ書き進めていきますので、このブログを楽しみにしていただけたら幸いです。