御縁があって、2022年5月25日、心書院株式会社 から書籍『思いをつなぐ 英語で学ぶ、日本の矜持。』を出版しました。楽天ブックス等でご購入可能です。順次、全国の有力書店様に置いて頂く予定です。本書のジャンルは英語学習エッセイとなります。

営業マンである私が、なぜ英語学習エッセイを執筆したのか、気になる読者様もいらっしゃると思います。

私は新規営業が得意な人間でした。同僚から「あなただけは、うつ病にならない。鋼のメンタルの持ち主だ」と言われていました。その私が、うつ病となり、5年以上、心の病と戦ってきました。パニック障害を併発してからは、希死念慮に苦しみました。

希死念慮で苦しんでいた時、心の支えになったのは特攻隊員の遺書でした。九州に住んでいるため、鹿屋・知覧・大刀洗などの記念館に行き、直筆の遺書や、遺影を拝見する機会が多かったのです。「なぜ、特攻隊員の遺書なのか?」と質問されるかもしれませんが、それは著書を読んでくださればきっと理解していただけると思います。

私の部屋には、知覧特攻平和会館で購入したトメさん(特攻の母)の手ぬぐいを飾っておりました。その手ぬぐいには「なぜ生きのこったのか考えなさい 何かあなたに しなければならないことがあって 生かされたのだから」と書いてあります。いつの日からか「特攻隊員の笑顔の背景には、どのような思いがあったのだろうか?遺書の行間を読めるようになりたい」と考えるようになりました。書店や図書館に通い、何百冊と読書をしました。

同じ頃、TOEICの勉強をしていました。これは社会復帰のためのリハビリと位置づけていました。実際にTOEIC受験もしました。ある時、TOEICの教材に飽きてしまいました。書店や図書館に通い、「英語と同時に、日本の歴史を学びたい。うつ病の自分が生きる意欲を感じるような、日本人としての誇りを感じるような英語教材が欲しい。」と思いながら、本を探しました。探しても見つからない、ならば自分で書きたいと思ったことが、本書執筆のきっかけでした。

第一章「西洋人が愛した古き良き日本」は、フランシスコ・ザビエルやアインシュタインなど、著名な外国人が残した言葉を紹介しています。英語と日本語を併記した名言集ですから、本書サブタイトルは「英語で学ぶ、日本の矜持。」となっております。ザビエルが来日した1549年も、アインシュタインが来日した「戦前」も、現在の日本と繋がっています。「日本の歴史は繋がっている、自分はその延長線に立っている」と自覚することは、自らのアイデンティティを確立し、心の病から脱却するために必要なことです。英語を学ぶことで、視野が広がりますが、これも心を客観視するために重要なことです。

第二章「海外から見た神風」は、ベルナール・ミローなど外国人から見た神風特攻隊を紹介しています。「外国人が見たカミカゼ/北影雄幸/勉誠出版」という本で、ミローが書いた「神風」という本を知り、どうしても読みたくて原書を海外から購入しました。本書の中心は第二章です。特攻隊を起点として「Before神風」そして「After神風」という視点をもつことで、日本人としての矜持を学ぶことになりました。

第三章「日本を見守る外国人の言葉」では、パール判事や、敵将ニミッツの言葉を紹介しています。戦前・戦時中・戦後を通して、数多くの外国人が、日本国そして日本人に対する称賛の言葉を残しています。外国人の言葉として、しかも英語で、これらの言葉を読むことで、元気をもらいました。自己不在・自信不足で苦しんでいた私が、生きる意欲をもつことができました。

日本の歴史は世界有数の長さを誇ります。室町時代や江戸時代があり、明治・大正・昭和・平成・令和と元号は変化しています。しかし、日本人が大切にしてきた価値観、日本人らしさは、ザビエルの昔から、変っていないのです。外国人の言葉を通すことで、日本人の美徳が代々受け継がれてきたことに気づきます。

本書の制作終盤で、ウクライナ・ゼレンスキー大統領の国会演説がありました。本書の趣旨と重なることから、編集部に無理なお願いをしてページを増やし、ゼレンスキー国会演説全文を英語と日本語で紹介することができました。

また本書後半の「解説」は私が新卒でお世話になった出版社の社長に、執筆していただきました。快諾してくださった社長には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。海外経験の豊富な社長が「本書は外国語学習における本質的な意義を示している」と書いて下さったことは、誠にうれしく感じました。

本書は撮り下ろし写真を60枚以上、掲載しており目で見ても楽しめる構成です。撮影はすべて福岡県内で行いました。表紙のゼロ戦の写真を見て「かっこいいな」と思った読者様は、ぜひページをめくって、すべての写真を見て頂きたいと願います。

新型コロナウイルスの影響で、医療機関や消防署・保健所への敬意を抱いている人は増えていると思います。そしてロシアによるウクライナ侵攻で、自衛官への感謝・国防への関心が高まっている時勢です。そして、全国の警察官・海上保安庁の皆様が治安を守って下さっていることを忘れてはいけません。私は、日本国そして日本人のために働いてくださっている方々への最大限の敬意を込めて、本書を書き上げました。

そして読書することで学んだことがあります。実は、上記の職業の方々の中にも、心を病む人、希死念慮に苦しむ人が、たくさんいらっしゃるのです。職業上、大きなストレスを感じることは、部外者の私にも容易に想像できます。5年に及ぶ私の闘病体験から、希死念慮との戦いに勝ち続けた私から、何かしらのメッセージをお届けしたいと願い、本書を書き上げました。

本書が、皆様のメンタルヘルスのお役に立てば幸いです。皆様の心身の健康を祈念しまして、著者からの御挨拶とさせていただきます。